TAPGが大幅進化:5.5マイルオーバル新設、ADAS・燃費・オフロード評価強化と外部開放

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トヨタ北米はTAPG(アリゾナ・プルービンググラウンド)の新施設完成と機能強化を発表。5.5マイルオーバル、ADAS評価路、コーストダウン、オフロード設備、ノイズパスバイを整備し外部開放も拡大。ドッグボーン直線やR&H路も改良。AMTCとしてインターテックが運営し外部レンタル対応。車両開発の再現性と効率を向上。

トヨタ・モーター・ノースアメリカは2025年12月10日、ウィットマン近郊にあるアリゾナ・プルービンググラウンド(TAPG)の新施設と機能強化の完成を発表。社内開発はもちろん、業界全体の試験拠点としての存在感をさらに高める内容だ。実車開発では、条件をそろえた反復検証が精度を左右する。今回のアップデートは、その土台づくりを着実に押し上げる。

強化の核となるのは、既存の10マイル周回路の内側に新設された5.5マイルのオーバル。元の南ストレートの一部を活用しており、走行距離の蓄積、ストップ&ゴー試験、多様な車両ダイナミクスや高速域の評価を想定しているとトヨタは説明する。低速から高速まで一挙にこなせる構成は、試験の段取りをシンプルにし、データ取得のテンポを上げてくれる。

既存レイアウトの改修も実施。北ストレートはドッグボーン形状のストレートコースへ生まれ変わり、各種車両試験や先進運転支援システム(ADAS)の評価に充てられるという。さらに、車両効率や燃費を測定する1.75マイルのコーストダウン路面も追加した。評価の幅を一段と広げる組み合わせだ。

オフロード開発にも力が入る。ボディ・オン・フレーム車や悪路走破性を備えたモデルの開発領域を広げるべく、大規模なオフロード試験設備を整備したとする。加えて、外部騒音の測定・評価を行うノイズ・パスバイ区画を新設。世界各地の規制対応につながる要素だと位置づけている。実用と法規の両面を一度に追い込める環境は、開発効率を高めやすい。

日常的な評価面の刷新も抜かりない。性能開発やタイヤ評価、ウエット試験に用いる1.5マイルのライド&ハンドリング路は改良され、ビークルダイナミクス・パッドの再舗装も予定しているという。こうした地味に見える手当てこそ、使い勝手と再現性の底上げに効く。

見逃せないのは、TAPGが社内専用の設備ではなくなっている点だ。2021年以降、この施設は外部企業の短期レンタルや長期常駐にも開放され、運営はアリゾナ・モビリティ・テスト・センターの名称でインターテック・トランスポーテーション・テクノロジーズが担っている。トヨタは、業界へ開くモデルによって改修費の一部を相殺しつつ、社内外のユーザーがより高機能な設備を使えるようにする狙いを示す。門戸を広げる姿勢は、北米のテスト環境を一段と活性化させそうだ。

Mark Havelin

2025, 12月 11 04:32