MINIとBMW iX3が再生ニット内装を量産化—循環設計と受賞実績

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MINIとBMW iX3が再生ニットを内装に採用。92%再生ポリエステルや透過イルミでデザインと耐久性を両立し、Secondary First方針を具現化。SPE Automotive Award 2025受賞の背景と循環設計の波及を解説。量産化を支える社内外の協業やCO2削減、水資源節約の効果にも触れる。

MINIは、抽象的なスローガンではなく、実際の生産判断でサステナビリティ戦略を前に進めている。最新世代ではキャビンが変革の主戦場となり、とりわけ革新的なテキスタイルが中心的な役割を担う。長年のLess is moreの哲学は、機能性、デザイン、環境責任に明確な焦点を当てる姿勢として表れている。

新しいインテリアの核は、再生ポリエステル92%のニット素材だ。ダッシュボード、ドアトリム、センターコンソールのフタに採用し、従来のレザー面は完全に置き換えた。MINIによれば、副次原料の活用は一次原料に比べてCO2e排出と水消費を大幅に抑えられるという。これは同社が掲げるSecondary Firstの方針に沿う取り組みだ。

このテキスタイルは、環境対策にとどまらずデザインの主張でもある。特別に設計した二層構造によって、下層の色が上層からほのかにのぞき、独特の奥行きを生む。スニーカーのデザインから着想を得た素材は、視覚的な複雑さを加えつつ、自動車用途に求められる耐摩耗性や構造の補強、長期耐久性といった要件も満たす。見せ方と実用の両立に説得力がある。

この技術はMINIの枠を越え始めている。新型BMW iX3、すなわちノイエ・クラッセ初の量産モデルでは、コンテンポラリー・トリムのインストルメントパネルに同様のニット素材を採用し、再生含有率は75%となる。MINIがダッシュボード面に光を投影するのに対し、BMW iX3は背面からのイルミネーションを用いる。そのため編み目はより透過性を高め、バックライトをインテリアデザインの一体的な要素として取り込めるよう設計されている。

BMWグループは、このテキスタイルを量産に載せるには社内外の緊密な連携が不可欠だったと強調する。業界や部門の垣根を越えた協業が、サステナビリティの志を市場に出せる製品へと翻訳したというわけだ。取り組みは業界からも評価され、MINI KnitはSPE Automotive Award 2025を受賞し、車両内装部門のグランドアワードも獲得した。素材分野で最も権威ある栄誉の一つで、受賞にはうなずける。

MINIとBMW iX3における再生ニットの導入は、循環設計の原則が実車で着実に実装されつつあることを示している。技術がブランドやモデルをまたいでスケールしていくなら、プレミアムなインテリアにおいても再生素材を標準仕様へ押し上げる、より大きな潮流の兆しと言える。

Mark Havelin

2025, 12月 13 17:04