フェラーリ812 GTS テイラーメイド、ソフトウェア改造で排出ガス試験不合格
2023年式フェラーリ812 GTSがBring a Trailerでオークション中。カリフォルニア州の排出ガス試験に不合格となり、ソフトウェア改造が原因。テイラーメイド仕様で低走行、独自性と規制の課題を解説。
2023年式フェラーリ812 GTSが、オークションサイト「Bring a Trailer」で注目を集めている。走行距離はわずか1400マイルと極めて少ないが、より重要なのは、カリフォルニア州の排出ガス試験に不合格となり、州内の個人買い手への販売ができない点だ。不合格の原因は、ソフトウェアの改造にある。
この車両は、フェラーリの最上位カスタマイズプログラム「テイラーメイド」で仕上げられた。マット・ビアンコ・ラゴスのボディにマット・ネロ・フィアマートのストライプが施された外観だけでなく、内装にも注目だ。ポルトローナ・フラウのヘリテージ・ウォールナットレザーに、コノリーのヴォーモル・ラクサン・クリームのインサートをダイヤモンドステッチで組み合わせている。カーボンファイバーのトリムやテイラーメイドのプレートも加わり、現代のスーパーカーというより、クラシックなグランツーリスモを思わせる空間を形成している。
この車の特筆すべき点は、個々のオプションではなく、デザインの一貫性にある。外装から素材の選択まで、単なる装備リストではなく、統一されたコンセプトとして読み取れる。フェラーリのパーソナライゼーションにおいて、このような仕様は「クラシカ」といったデザイン哲学に沿うことが多い。現代の素材と技術で、歴史的なGTの美学を再解釈するアプローチだ。
812 GTS自体、フェラーリのラインナップにおいて特別な位置を占める。812スーパーファストのオープンモデルで、自然吸気6.5リッターV12エンジンを搭載。最高出力は800 cv、0-100km/h加速は3秒未満、最高速度は340km/hに達する。フロントエンジンV12スパイダーとして、365 GTS4以来数十年ぶりの復活と位置付けられ、歴史的な意義も大きい。
こうした背景から、53万ドルを超える入札価格は、低走行で高度に個性化された車両への関心の高さを反映している。しかし、アフターマーケットのECUチューンとエキゾーストシステムが、この話に別の側面を加えている。カリフォルニア州自動車修理局の規制では、純正以外のソフトウェアを搭載した車両はスモッグチェックに合格できず、工場出荷時の設定に戻す必要がある。
購入を検討する者にとって、これは明確なトレードオフとなる。この車の独自性と職人技は疑いようがないが、特にカリフォルニア州では、コンプライアンス問題を解決しなければ所有は難しい。結果として、このフェラーリは独占性と規制の制約が交差する地点に立つことになる。この組み合わせが、市場での位置付けと将来の行方を直接的に左右するのだ。
Allen Garwin
2026, 3月 26 03:23