BMWミュンヘン工場がNeue Klasseと新型BMW i3の量産準備を加速、Common Function Test完了

BMWミュンヘン工場、Neue Klasseと新型i3量産へ最終準備—デジタル先行で2026年に本格始動
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BMWミュンヘン工場でボディショップ新設備と組立ラインの機能検証が完了。Neue Klasseと新型BMW i3の量産へ向け、iFACTORYとVirtual Factoryで2026年本格稼働を目指す。Common Function Testを経て段階的に立ち上げ、2027年には完全電動化工場へ移行予定。

BMWグループのミュンヘン工場が、次世代車に向けた準備で大きな節目を迎えた。ボディショップの新設備と新しい組立ラインの機能チェックが無事完了し、Neue Klasseのモデル群と新型BMW i3の量産へ向けた重要な一歩が刻まれた。立ち上げ工程の山場をひとつ越えた格好だ。

これらの試験は、いわゆるCommon Function Testの一環として実施。実部品を使わずに全システムを空運転で回し、生産計画担当者と工場の技術陣がサイクルごとに全工程をなぞった。BMWは、実体のない車両を形にしていくような手順だと説明している。こうしたプロセスにより、実生産が始まる前に、設備、作業フロー、システム同士の連携が計画通りに、かつ途切れなく動くことを確かめられる。無駄打ちを減らし、立ち上げのつまずきを封じる定石だが、全ライン規模でやり切るのは容易ではない。

ミュンヘン工場の経営陣によると、この段階の完了は、主要な製造技術と設備が次フェーズに進む準備が整ったことを示す。同時に、BMW i3の生産に向けた従業員のトレーニングも既に進んでいる。次の狙いは、ミュンヘン工場で全て組み上げる初のプリシリーズ車の立ち上げだ。現場教育を前倒しで進める判断は、量産の精度と立ち上げスピードに効く。

現時点でBMW i3の組立は、近隣の研究・イノベーションセンターで続いている。1月にはこの作業をミュンヘン工場へ移し、実際の工場環境で生産システム全体を総合的に検証できる体制に切り替える予定だ。量産は2026年夏に増勢へ、正式なスタートは2026年後半に設定されている。時間軸はタイトだが、段階的に負荷をかける進め方は理にかなう。

このプロジェクトは、BMWのiFACTORY戦略の要諦を体現している。新しいボディショップと組立ラインは当初からデジタル上で計画・検証され、プレス工場や塗装工場の既存設備もBMWのVirtual Factoryに組み込まれた。これにより、新世代車向けの各種テクノロジーの機能確認を、かなり早い段階から仮想空間で進められるようになった。デジタル先行の設計は、後戻りを減らし投資効果を引き出すうえで実務的だ。

変革のスケールも見逃せない。わずか18カ月の間に、敷地の約3分の1が大規模に作り替えられ、旧棟の解体と並行して新たな組立ホール、物流センター、ボディショップが整備された。その間も、工場は1日最大1,000台のBMW 3シリーズ/4シリーズを造り続けている。大規模改修と日産1,000台規模の操業を両立させる段取りは、老舗工場の底力を感じさせる。

こうした取り組みによって、ミュンヘン工場はBMWグループの広範な変革を支える中核拠点としての位置付けを確かなものにしている。新型BMW i3の量産は2026年後半にここで始まり、2027年末以降は同工場の生産が完全電気自動車に一本化される計画だ。Neue Klasseへの移行と、これからの自動車生産のかたちにおいて、ミュンヘンの戦略的な役割がより鮮明になった。未来志向の投資が、老舗拠点の存在感をむしろ強めている印象だ。

Mark Havelin

2025, 12月 19 18:14