SEAT & CUPRAは、バルセロナのゾナ・フランカにサーキュラー・エコノミー・ハブを開設した。車両の解体や、再利用に向けた部品・素材の回収に特化する産業拠点だ。旧ワークショップ7を転用し、自動車生産をより循環型に導く実働ハブへと刷新している。施設はすでに稼働を始めており、当面はプリシリーズ段階のSEATとCUPRA車を対象にする。回収した部品や素材は、新車への再利用、リサイクル、あるいは外部パートナーを通じた再整備・再販という複数のルートに振り分けられる。量産前から手を打つことで、バージン原材料の使用を抑え、車両ライフサイクルの早い段階から環境負荷を小さくする狙いだ。このハブには€4.85 millionが投じられ、さらにスペインのPERTEサーキュラー・エコノミー計画(EUのNextGenerationEU復興プランによる支援)から€1.32 millionの助成を獲得。産業変革とサステナビリティ重視の投資を後押しする大きな枠組みの中に位置づけられている。今回の始動は、脱炭素や廃棄物削減と並んで循環経済の考え方を中核に据える、SEAT & CUPRAのサステナビリティ戦略を色濃く反映する。同社はすでに、海洋プラスチックをアップサイクルしたSEAQUAL® YARNや、水系製法で再生ポリエステル73%を用いるDinamica®マイクロファイバーなど、再生・再生可能素材の導入を進めている。素材や生産プロセスを超えて、この新拠点はSEAT & CUPRAの長期的な環境目標、そしてフォルクスワーゲングループ全体のサステナビリティ施策とも歩調を合わせる。さらにバルセロナの産業エコシステムへのコミットメントも示す存在で、イノベーションと循環経済プロジェクトを推進するために2024年に同市と結んだ協定の、具体的な成果でもある。現時点ではプリシリーズ車の限定的な流れに焦点を当てる運用だが、SEAT & CUPRAは時間の経過とともにハブの適用範囲が広がる可能性に言及している。拠点の成熟に伴い、部品回収や素材リサイクルの取り組みをさらに押し広げる要となり得るだろう。段階的にスコープを広げるやり方は現場でも無理がなく、ブランドがよりサステナブルな自動車産業づくりを牽引する姿勢を、足元から確実に形にしていくはずだ。