テスラ・ダイナーはなぜ空いた?ロサンゼルスでの失速とブランド疲労

ロサンゼルスのテスラ・ダイナー失速:空席増とシェフ離任、ブランドの陰り、販売失速とBYD台頭も背景が露呈
Connor Caine, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons

ロサンゼルスのテスラ・ダイナーが半年で閑散化。サービスの遅さや割高感、未来感の不在に加え、メニュー縮小とシェフEric Greenspan離任が痛手。初期レビュー依存と再設計不在を指摘し、米国でのテスラ販売失速とBYD台頭の文脈で検証。話題性だけでは集客できず、空席が目立つ現状とブランド疲労を詳しく解説。

2025年の夏、ロサンゼルスのテスラ・ダイナーは、イーロン・マスクが長年描いてきたビジョンが形になった場所のように見えた。EVの充電が雑用ではなく体験になる、そんな発想だ。店の前には長い行列ができ、レトロフューチャーな意匠の写真がSNSを埋め尽くし、スーパーチャージャー併設の単なるレストラン以上の企てとして語られた。ところが、わずか半年でそのイメージは一変する。

2026年初頭には、来訪者の多くがテスラ・ダイナーをほとんど人影のない空間と表現するようになった。駐車は楽で、客数よりスタッフの方が多いこともしばしば。オープン当初のメニューからは静かに消えた品もある。平均評価自体は見た目には堅調だが、その多くは物珍しさに背中を押された初期レビューが土台になっている。直近の声はトーンが違う。サービスの遅さ、割高感、そして「未来」を感じさせる決定打の不在が、繰り返し指摘されている。

追い打ちをかけたのが、2025年11月末のシェフEric Greenspanの離任だ。彼の関与は店に料理面の説得力を与え、テスラが自動車の枠を越える意思を示していた。だが退任後、テスラはコンセプトの立て直しや大幅な見直しについて公に語らず、ダイナーは次第に同社の発信から存在感を失っていく。

この失速は、ブランド全体の局面とも重なる。同時期、テスラは米国で販売が落ち込み、世界のEV販売首位の座もBYDに明け渡した。その背景を踏まえると、ロサンゼルスのダイナーの苦戦は単発の失敗というより、演出や話題性に寄りかかるテスラ流への疲れが表面化した兆しとして映る。

Allen Garwin

2026, 1月 05 02:39