ボルボEX60の需要急増で生産計画を見直し
ボルボ・カーの全電気SUV「EX60」が欧州で予想以上の注文を獲得。航続距離最大810km、高速充電対応で、2026年4月に量産開始。新たなケア・オファーも提供中。
ボルボ・カーは、新型全電気SUV「EX60」の生産を増強する方針を固めた。グローバルデビュー直後から、同モデルに対する需要が社内予想を上回ったためだ。
公開から1カ月も経たないうちに、欧州主要市場での小売注文はすでに予測を超えた。特にスウェーデン本国での反響は大きく、すでに3,000台以上の注文が記録されている。
こうした関心の高まりを後押ししているのが、所有をシンプルにする新たな「ケア・オファー」だ。透明性の高い購入条件を軸に、顧客に対して3年間の自宅充電無料サービスを提供する。
注目すべきは、現在注文を受け付けているのが欧州市場のみである点だ。スウェーデンやドイツなど主要国が対象で、米国では2026年春以降に販売が始まる予定。それでも、注文のペースは2023年にデビューした小型電気SUV「EX30」をすでに上回っている。EX30はより手頃な価格帯の大量販売モデルだったにもかかわらず、だ。
予想外の需要を受け、ボルボは生産計画を見直している。スウェーデンのトースランダ工場でのEX60の生産量を増やす方針で、夏期に1週間の稼働延長を検討中。労働組合との協議が進められており、実現すれば同工場が夏期スケジュールを超えて稼働するのは史上初となる。
ボルボ・カーのチーフ・コマーシャル・オフィサー、エリック・セベリンソン氏によれば、堅調な注文は予想を上回ったものの、歓迎すべき課題だと捉えている。顧客向け車両の生産開始に向け、2026年の生産計画を見直している最中だ。量産は2026年4月に始まる見込み。
EX60は、ボルボの電動化戦略において中心的な役割を担う。世界最大のEVセグメントである中型電気SUVクラス向けに設計され、新型SPA3プラットフォームを採用。効率性と充電性能の向上を目指し、800ボルトの電気アーキテクチャを備える。
パワートレインは複数のバリエーションが用意される。後輪駆動のP6は275kW(374馬力)を発生し、WLTP基準で最大620kmの航続距離を実現。四輪駆動のP10は出力が375kW(510馬力)に向上し、航続距離は最大660km。最上位のP12 AWDは500kW(680馬力)を誇り、1回の充電で最大810km走行可能とされる。
充電性能も重要なポイントだ。高出力充電ステーションでは、約10分間で最大340km分の航続距離を追加できる。バッテリーを10%から80%まで充電するには、仕様によって約18~19分を要する。
価格設定も、EX60を同社で最も成功したモデルの電気版として位置付ける戦略を反映している。人気のXC60プラグインハイブリッドとおおむね同等の価格帯になる見込みで、欧州仕様のエントリーモデルは約62,990ユーロからとなる。
長い航続距離、高速充電、競争力のある価格を兼ね備えたEX60は、近年のボルボにとって最も重要な新車の一つとなりそうだ。早期の注文実績は、同社の完全電動化への移行を加速させる上で、このモデルが大きな役割を果たす可能性を示唆している。
Mark Havelin
2026, 3月 07 12:23